新天地にて
考えてみれば、ずいぶんウェブログサービスを転々としてきた。
いちばんはじめに使いはじめたのは、iBlog。ウェブログはすでに黎明期を終えていた。ブログ、と呼ばれ爆発的に拡大しはじめていたころのこと。当時、このシェアウェアは.Macユーザーには無料で使えたけれど、ずいぶん不完全なアプリケーションだった。でも、それゆえカスタマイズの面白さにはまった。なにより、文章と画像を組み合わせてエントリを書く楽しさに気づかせてくれたのは、このiBlogだ。
とはいうものの、いちどカスタマイズに失敗すると、そのあと、なし崩し的に挙動がおかしくなる。その繊細さに辟易し、次第にべつのアプリケーションを探すようになった。
ウェブログそのものへの興味というより、.Macの有効利用を探す過程。これがウェブログとつきあうようになったきっかけ。
iBlogから乗り換えたのは、BlogWave Stadio。これも.Macを利用するアプリケーションだった。こちらはあまり使わなかった。iBlogより安定しているという評価もあった。けれど、一長一短、それほど差はないように感じた。
.Macを利用するアプリケーション形式のウェブログに見切りをつけて、使いはじめたのは、livedoor Blogのサービス。アプリケーションの管理をしなくていい。カスタマイズの自由度も高い。それだけでじゅうぶん開放的な気分になれた。
この時期、他社のサービスを試してみるため、大手のアカウントはほとんど取ったのではないだろうか。
結局、それでもlivedoor Blogを使い続けた。いいウェブログサービスだった、いまでもそう思っている。
使っているウェブログをほかのシステムに乗り換えてみたくなるのは、なぜだろう。レイアウトを変えてみたり、サイドバーのブログパーツをつけ加えたり外したりするだけでは解消できない、なにか。たんなる気分転換、というだけですませられない移り気。生活の変化と、それは密接につながっている。
TypePadに移行してみた。ほんの2ヶ月前のことだ。livedoorで書いてきたエントリをまるごとインポートした。システムは安定している。投稿のスタイルも気にいっていた。けれど、長くは続かなかった。
有料サービスだけあって、うっとうしい広告が表示されないのは気分がよかった。けれど、テンプレートに手を加えようとすると、いちばん高い「Pro」というプランを使わなくてはならない。月額1,260円。年5,000円足らずでドメインを取得しレンタルサーバを借りられるご時世、この価格はずいぶん強気だ。「URLがいいから」それだけで使っている人を知っている。mac.comのメールアドレスを使用したいがために、.Macの料金を毎年「お布施」し続けているみたいな話。
これを機会に、いっそレンタルサーバを借りてMovableTypeかWordPressを導入するという手もある。以前から、結局それが最終到達点ではないかと漠然と考えていた。でも、ウェブログサービスの爛熟しているいま、そんなことに労力を費やす意味はあまりないような気もする。
流浪流転した結果たどりついたのが、このblogger。
サービス開始当初は魅力的には思えなかった。知らないうちに着実に進化していたんだなあ。ちょっと感慨深い。
大手ブログサービスのハデさはない。Googleのサービスという先入観がそう見せるのか、どこか無機質で冷徹な印象がある。国内で生まれたものでないせいか、バタくさい。完全にローカライズなんぞされっこない、そんな雰囲気すら感じる。でもそうしたことは、みな、利点でも欠点でもない。
現在、他のウェブログサービスからのインポート、そしてエクスポートの機能がない。クラシックレイアウトだけでなく、新しいレイアウトでもFTP投稿をサポートしてほしい。小さなことだと「最近のコメント」くらいは標準で使えればいいと思う。でも、こうした機能はそのうち実装されるはず。
いま、とてもわくわくしている。書くことにシンプルに専念できるような気がしている。
新しいことをはじめるまえに、ほんのすこしだけこれまでをふりかえってみた。
「いろんなことがあって、いまがある」
これが、ちかごろ、気に入っていることば。
0 件のコメント:
コメントを投稿