2007年12月16日日曜日

買い物曜日

新宿を歩き回って、買い物。
都心で買い物をするのは、たぶんこれが最後。
来週はもう帰省してしまうので。

クリスマスプレゼント(もちろん自分用)に、革のジャケット。
値段は……むむう、ちょっと思い出したくないぞ。

陽差しの暖かさ。
せわしないような、のんびりとしているような。
不思議な時間が流れていた午後。

2007年12月14日金曜日

もうすぐ


フジテレビで「やまとなでしこ」の再放送が始まりました。
ははは、待ってました。
クリスマス前の恒例行事。

さすがにもう観ることはないけれど、
毎年、テレビ番組表でこの番組名を見かけるたびに、
「ああ本当にもう年末なのだなあ」と。

一年でもっとも街がきらびやかになる季節。
風邪ひきさんは早めに元気になってくださいね。

2007年12月3日月曜日

自動販売機のほうが、まだ、よっぽど

松田翔太演じる秋山深一。
その名台詞「このゲームには、必勝法がある」をまた聞きたくて、
テレビドラマ「ライアーゲーム」をまとめてレンタル。

会員になっているビデオ屋さんは、
いつもの無愛想な店員さん。
いや、無愛想というより、つねに不機嫌、か。

DVDの貸し借りの手続きに、愛想なんて必要ないのかもしれない。
それでも最低限の接客態度というのは、
あると思うんだけどなあ。

なんというか、
ジュースの自動販売機のほうが、まだ、よっぽど愛想がある。
そんな感じだ。

不機嫌というのは伝染する。
風邪なんかとは比べものにならないくらい感染力が強い。
なので、できれば近寄りたくないのだけれど、
ここまで徹底して不機嫌な人というのは、
なんというか、妙に印象に残ってしまう。

仕事中だけの不機嫌かもしれない。
それ以外のところでは、彼も笑顔を見せるのかも。
でもぼくは、彼の不機嫌は、
目に見えぬ深淵の底知れぬ暗さから立ち上ってくる「なにか」、
その表れのような感じがして、
ときおり、ふと、気になってしまうのだ。

怖いもの見たさ。
ちょっと、そんな感じ。

彼のたたずまいというか傍若無人ぶりというか、
ぶすっとして、荒々しい接客というのは、
それはそれでその店の風景に馴染んでいる気もする。

ビデオレンタル店にふさわしい、殺伐。
といったところか。

2007年11月29日木曜日

崎陽軒のシウマイ

崎陽軒のシウマイ、不適切表示で販売停止。
そんなニュースを耳にしていたら、
ひさしぶりにシュウマイが食べたくなった。

そんな人、ほかにも百人くらいはいるんじゃないだろうか。

さすがに自分で作ったりはしない。
電子レンジであたためるだけの冷凍食品。
ぼくには、それでじゅうぶん。
炊きたてのご飯で、おいしくいただく。

それでも、ふだんは気にとめない元材料名の表示を、
気がつくと読み返しては疑っている自分がいる。
こういうのは、ちょっとさみしい。

2007年11月23日金曜日

The Digger Swing



たとえば、ショベルカーを愛する人は、
こんな夢をみてるんだろうか。

Crayon Physics Deluxe on a Tablet PC


見とれてしまった。

ゲームって最近してないなあ。
こんな感じのものだったら、読書の合間に遊んでみたい。

2007年11月15日木曜日

FUNKY MONKEY BABYS - もう君がいない


以前から、
こういうCDのジャケットやPVは、
反則、のような気がしてしかたない。

じゃあ、買わなきゃいいんだけどね。
ええ、わかってますってば。

視聴することなく購入した楽曲。
あらためて聴いてみましたが、よくわからん。

くりかえしては、たぶん、聴かない。

彼らの音楽が云々、ということではなくて。
ぼくがいまどきのこういう歌についていけないだけのこと。


FUNKY MONKEY BABYS - もう君がいない (Single)
FUNKY MONKEY BABYS - もう君がいない (Music Video)

2007年11月11日日曜日

背骨となる経験

アン・ドゥ・トロワ。
アン・ドゥ・トロワ。

からだのなかを脈打ち流れ続けているリズムとテンポが、
語られることばと綴られることばに息づいている。

2007年11月6日火曜日

手帳

ねこのパン屋さんは文房具が大好きだ。
「愛してさえいるわ」とも云っていた。

ねこのパン屋さんは、堅表紙の小さな手帳を愛用している。
いついかなるときでも持ち歩いているみたいだ。
以前、
エプロンのポケットからのぞいているのを見かけたことがある。
あれはたぶん、モレスキン。

シンプルな手帳とシンプルな生活。
年末だからと手帳を新調する習慣はないらしい。

しばしば粉まみれになってしまうという手帳は、
もしかしたらパンのにおいがするのかもしれない。

2007年11月5日月曜日

炎につつまれる金魚

ねこのパン屋さんが、金魚鉢を見つめている。

金魚鉢のなかには、二匹の金魚。

ねこのパン屋さんは、ほおづえをついて、
ゆらめき踊る金魚を目で追っている。

アーモンドの形をした目を、
ふだんの倍くらい、大きく見開いて。

すると、
ねこのパン屋さんの視線に反応したかのように、
二匹の金魚は、ぽっ、と燃え上がる。

水のなかでゆらめく小さな炎、ふたつ。

熱くないのか、驚いたようすも見せず、
金魚たちはぱくりぱくりと口を動かしつづけている。

二匹をつつむ青い炎は、
紫に、オレンジに、
ふるえながら色をかえていく。

ガラス細工のような燃焼。

ねこのパン屋さんは、そのようすを、
ほおづえをついたまま、じっと見つめつづけている。

2007年11月2日金曜日

ねこのパン屋さん

ねこのパン屋さんから、今日、電話がかかってきた。

《おいしいパンが焼けそうです。
 そういう予感がするんです。
 お代は、おおはばにおまけいたします。
 どうですか。
 近いうちに、食べにきませんか》

ええ、近いうちに、かならず。
ぼくはそう返事をした。

とはいうものの、
おまけしてもらうばかりでは、こころ苦しい。
(なんてったって、おおはばに、だ)

その日は、小さな花束を持っていこうと思ってる。

2007年10月31日水曜日

ハロウィンの夜に

スポーツクラブにいったら、
インストラクターのみなさんが、
着ぐるみを着て、うろうろ。

「ハロウィンだからなんですよ」という。

へええ、ハロウィンって今日だったのか。
知らなかった。
見ると、あちこちにそれらしい飾り物。

ところでハロウィンって、
そんなに一般的なイベントになってるんですかね。
正直、こう、どうにも肌になじんでいない感じ。
くすぐったくて、ちょっぴり気恥ずかしいような。

プールでは、がしがしと泳ぐ。
こちらのインストラクターさんたちは着ぐるみではない。
あたりまえか。
でも、ちょっと残念。

十月末日、忘れちゃいけない。
スポーツクラブの会員期限を更新。
会費を一年分、まとめて支払う。
お、太っ腹。
というか、リーズナブルなコースだからこそできました。

デパートの地下、食料品売り場を歩く。
かぼちゃのケーキだのプリンだのがずらりとならぶ。
おいしそうだなあ、と手に取りかけて。

あれ、ハロウィンってかぼちゃを食べるお祭りだっけ???

2007年10月30日火曜日

あなたの、手作りの

草原の夢をみよう。
目の前一面に広がる、緑色の餃子の夢を。

2007年10月27日土曜日

Mac OS X 10.5 Leopard


新しいOSをインストールするなんて、ひさしぶり。

2007年10月10日水曜日

あまい、金木犀の

夜、窓を開けて眠る。
部屋にとろとろと満ちてくる、隣家の金木犀の香り。

2007年10月8日月曜日

セージティー


ずいぶん涼しく、ときには肌寒さすら感じる季節。
あたたかい飲み物のよさが、
ぐぐっと引き立つようになってきた。

このごろ飲んでいるのは、セージティー。

写真は寒々しくなってしまいましたが、
実際は琥珀色のお茶です。

樟脳のようなにおいがきつい、なんて話もある。
そんなにおい、するかね。
すくなくともぼくは平気。

ハーブ関係のお茶に、どうやら耐性があるらしい。

味というかのど越しは、なめらか。
ものたりなく感じられるほど。
濃いめに淹れてみたくなるのは、注意。

効能はいろいろあるらしい。
そのへんはさっぱり体感できませんが。

「秋眠」暁を覚えず。
この季節特有のだらりんとしたくなる気分に、
えいっ、と活を入れるには、
コーヒーなんかのほうがいい。
ふだんあまり飲まないようにしているので、
たまに飲むと、すんごく効きます。

ハーブティーは鎮静とリラックスをうながす飲み物。
なんだか気持ちよく眠れてしまう。

まあ、飲まなくったって眠れるんですけどね。

2007年10月7日日曜日

タイトルは「しあわせの切片」


もしくは、おむすびとたまご焼きとコロッケの余韻。

もうしわけないけれど、
おむすびは梅干しなしのほうがうれしい。
というのは極私的意見なので、
ええ、聞き流してくださいね。

     *     *     *

国立新美術館にて、
《フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展》を観る。

会場を出たところで、
「なんだ、フェルメールの作品ってこれ一作しか展示がないのか。
 看板に偽りありだろ〜、これ」
と、なんどもなんどもなんどもなんども、
くりかえしているオジサマがいた。

もうしわけないけれど、共感して笑ってしまった。

フェルメールはもともと寡作なうえに、
現存しているのは40作品にも満たないのだとか。
なので、しかたないといえばしかたないのだけれども、
オジサンの不満、わからないでもない。

「真珠の耳飾りの少女」とか観たいよねえ。
たしかに。

こちらは写真だけれど、
同時に開催されていた、
《安齊重男の“私・写・録” 1970-2006》のほうが、
インパクトがあって刺激的だった。

ぼく自身はオランダ絵画についての造詣は深くない。
(自国他国の他の絵画についても同様、だけれども)
思い浮かぶのは、レンブラント、ゴッホ、エッシャーくらい。

オランダ、と聞いていっとう最初に連想するのは、
ディック・ブルーナのナインチェ・プラウス。
ふわふわうさこちゃん、なんだよね。

2007年10月5日金曜日

パンナのパンチ



高橋秀実さんに『はい、泳げません』という著書がある。
水が怖くてしかたなかった筆者が、
スイミングスクールに通い、
泳げるようになるまでの始終が綴られたノンフィクションだ。

このなかに「歌いながら泳ぐ」という一節が出てくる。

からだをこわばらせたまま泳いでいると、
息継ぎをしているのになぜか息苦しい。
からだの緊張をほどくために、
では、歌いながら泳いでみたらどうか。

すこしずつ泳げるようになってくると、
かえってフォームが崩れるようになる。
知識が、そして経験が邪魔をしはじめる。
ぼくもいま、その只中。

歌いながら泳いでいると、
たしかに、こう、無心になっていく。
頭のなかがからっぽになっていく気持ちよさがあるのだ。

で、最近は気がつくと、なぜかこの歌。

はずかしいことはない。
いや、ほんとはけっこうはずかしいのだけれど、
ま、水のなか、誰に聞かれるわけでなし。

ぱんぱかぱ〜ん♪ ぱかぱんぱんぱんぱんぱ〜ん♪

思いっきり、かないみかさんが頭に宿った気分で、
ぼくは水を掻いている。

2007年10月4日木曜日

灯るころ


羽虫のように、明かりに誘われて。

でも、
ちょいと一杯やってくか。
とは、残念ながら、ならない。

泳ぎ疲れて、今夜もへとへと。

2007年10月2日火曜日

そういう存在

いついかなるときでも、元気であってほしい、と思う。

でも、正直にいうと、
元気でなくったっていいのだという気もするんですよね。
ほんとはね。
大きな声ではいえないけれど。

繊細な人なんだから。

くたびれたり、悲しかったり、落ち込んだり、嘆いたり。
いい意味で、それは習い性ではないのかな。
むしろ、大切にしてほしいところ。
本人はたいへんなのだと思いますが。

そのぶん、うれしいことには、
ひと一倍、喜べるときもあるはず。

涙が似合う人で、いいのですよ。

満天の夜空。
でもあなたは、けっして埋もれることはない。
そういう存在。

ぼくにとっては。

ぼくにとっても。

2007年10月1日月曜日

衣替えの季節


夕闇が降りてくるの、すっかり早くなっちまった。

夜、その人を探してにらめっこしてみました。
スナフキン的な魂を持っているにちがいない、
やさしい人の、ほんのちょっぴり昔の姿と。

2007年9月29日土曜日

季節はずれの夜の華


ちょっと季節はずれの調布市花火大会。

小雨まじりのくもり空。
肌寒いくらいでした。

天候のため、来場者は例年より少なめ?
そのぶん屋台の照明がまぶしく見える。
大盛り焼きそばなんていただきながら、
濡れた芝生を踏みしめて。

この夜ばかりは、京王線、
鉄橋を渡るとき、ふだんよりゆっくりめなんですよ。

六年目にして、はじめて


赤ワインは予想以上に効いたみたい。
風邪をひいたときには、
みなさん、ぜひ、おためしあれ。

ヒンジが壊れて、
振るとがたがたと音を立てていた携帯電話。
機種交換なるものを、
携帯電話歴六年目にして、昨日、はじめて。

auがキャンペーンをおこなっていたこともあり、
ポイントと合わせ、ほとんど手数料だけで済んでしまう。
日頃、通話料にどれだけ転嫁されているか。
あらためて思い知らされるね。

来年にはiPhoneが日本でも使えるようになるだろう。
ほんとはそれまで待つつもりだった。
けれど、
キャリアはどうもDoCoMoかSoftbankになりそうな雰囲気。
また、さすがのAppleもこの電話をめぐっては、
ずいぶんばたばたしている印象を受ける。
ま、そのときはそのときのこと。

新しくお迎えしたのは、PanasonicのW52P。

ワンセグなんていらない。
外装のインディゴ シルバーの質感が気に入って。

半面、開いたときのカラーには、どきり。
でも、それも五分で慣れてしまった。

2007年9月27日木曜日

秘密兵器

風邪に水泳はよくないことを、身をもって知る……。

ぼくの風邪の特効薬は、
具だくさんのうどんに辛めのキムチを大量投入したもの。
そのうえに唐辛子を可能なかぎり振って、
生姜のかたまりをまるごとすりおろして、食べる。

たいていこれでずいぶんラクになるのだけれど、
今回はどうも効かないみたいだ。

ならば、秘密兵器を登場させねばならない。

ホットで飲む、赤ワイン。

肝腎なのは、1杯だけにすること。
酔いがまわってしまっては、逆効果。
温めるときは、アルコールを飛ばしすぎないこと。

2007年9月26日水曜日

帰宅の途


詩を拾うように歩いてみる。

ラッシュに揉まれているときには気づかない。
ここにいっぱい落ちている、いろんな気持ち。

2007年9月25日火曜日

ナイトメアー


いまだに「ハロウィンっていつだっけ?」って感じです。
十月、たそがれの季節なんですね。

今夜は、中秋の名月。

日本ではお団子ですが、
中国では月餅を贈る習慣があるのだとか。
ああなるほど、たしかにそういう名前。
英語では文字通り、Mooncake。
クルミが入っていたりするのもおいしいですよね。

今宵は、では、両方いただくことにしましょう。

え、両方???

2007年9月24日月曜日

ぐずぐず、ごほごほ



風邪をひいてしまいました。

のどが痛いだけだったのに、
すこしずつ調子が悪くなっています。

先週のからだのだるさは、これが原因だったのか。

運動して汗をかいたらよくなる気がして、
今日は掃除洗濯したあと、泳ぎにいきます。

ムリをしないていどにね。

クロールだと口で呼吸するので、
鼻がつまっていても平気なのだ。

うん、たぶん、きっと。

2007年9月23日日曜日

加納朋子 - モノレールねこ



『ななつのこ』
『魔法飛行』
『掌の中の小鳥』

宝物のように愛読している大切な本です。

加納さんの新刊が出ていることにずっと気づかず、
この『モノレールねこ』と『ぐるぐる猿と歌う鳥』、
先日、買ってきました。
ほくほくです。

読みながら、自分も涙もろくなったなあ、と。
ちょっとくやしく思います。

2007年9月22日土曜日

秋なので



贈ってみよう、花を。
ガラス越しの、花を。

2007年9月21日金曜日

生け簀のなかの



フグはなんでもお見通し。
きっと。

2007年9月20日木曜日

躊躇するもの



想像しただけで、胸焼けが。

この自信満々な手書きポスターを見かけるたびに、
いつか挑戦してみたいと思うのだけれど。

ミノン、というかわいらしいお店です。

実物はこんな感じらしい。
http://chofu.happy-town.net/t_sweets/00000825.html

そうか。
シュークリームだと考えると大きいけれど、
ケーキだと思えば、それほどでもない。

のか?

2007年9月19日水曜日

念願成就

古くなった羽毛布団一式。
使わなくなっていた事務用椅子2脚。
壊れた電子オーブンレンジ。

ようやく捨てることができました。

捨てたあとは、
「なんでもっとはやく引き取ってもらわなかったんだろう」
と思います。

使わないどころか邪魔にさえ感じていたはずなのにね。

それなのに、いや、だからこそ、
「慣れ」たり「習慣」にしたり「忘却」したり、
また「盲目」になることで、
日々の精神の安定をはかっているのでしょう。

ともあれ、すっきり。

ほんのちょっぴり広くなった部屋は、
できるだけ、そのまま、
ほかのもので埋めないでおきたい。

2007年9月18日火曜日

計量器



自分の内にあるメーター。
その針の揺れぐあいを、じっと、観察してみる。

2007年9月17日月曜日

Perfume - チョコレイト・ディスコ



室内でiPod nanoで、
このところずっとヘビーローテーションさせているのが、
この不思議なグループの不思議なサウンド。

琴線に触れるというか、脳内にひっかかるというか。
くりかえされるリズムにくりかえされるフレーズ。
中毒性があるのですよね。

ピチカート・ファイヴっぽいところも、ある。

ファンだと公言するのは、どこか気恥ずかしい。
しかしまあ、
このご時世にCD3枚、買い求めちゃったくらいだから、
好きなんだろうなあ、やっぱり。

ポリリズム」もいいですね。
いちばん気に入っているのは、でも、この曲。

♪チョコレイト、ビスコ、コ、コ

2007年9月16日日曜日

星に願いを



明け方、土星に。

2007年9月15日土曜日

うろうろ、新宿



新宿を歩くなんて、思えばずいぶんひさしぶり。

うだるような暑さのなか。
四谷三丁目で開催されている、
グループ針穴魂 第一回写真展」に足を運ぶ。

はりあなのこころ」のしきはんさん、いらっしゃる。
でも照れくさくて、声をかけることができず。

そのかわり、
中村一夫さん、大手久美さん、
そしてしきはんさんの写真を、しっかり目に焼きつけて。

会津喜多方ラーメン坂内・小法師にて、昼食。
中華風冷やしラーメンを食べるも、後悔。

四谷三丁目駅すぐそば、
東京消防庁の消防博物館に寄って、
歴代の消防自動車や消防ヘリコプターを眺めて歩く。

新宿駅に戻って、
カメラ屋さんのような電気屋さんのような、
電気屋さんのようなカメラ屋さんのような大型店を、
しばしうろつく。

どの店も、ポラロイドのインスタントカメラなんて、
もう扱ってないんだね。
みなさん、フィルムとか、どうやって入手してるんだろ。

南口、紀伊国屋書店で、
エドワード・レビンソン
『エドさんのピンホール写真教室 -スローライフな写真術』
『フォトサプリ -フォトグラファーが大事にしている176のことば』
を購う。

歩きっぱなしで疲れる。
うろうろというより、ふらふら。

西口の献血センターで休息をとりつつ、
ついでに400cc、献血。

血を抜かれている最中、知り合いのDJくんに出くわす。
やあ、ひさしぶり。
妙なところで会いますなあ。
たがいに近況報告。
「こんどこういうイベントやるんすよ。
 よかったら来てください」
渡されたフライヤーには「アニソン クラブ イベント」の文字。

そんなのがあるんだ、というか、成り立っているんだ。
ふうううん。

疲れきってしまったので、今夜は焼き肉。

泳ぐようになってからというもの、
だれると、むしょうに肉が食べたくなる。

遊佐未森 - クロ



「おしりかじり虫」も好きなのですが。

2007年9月12日水曜日

NICOLA入力を練習中

夕方、すこし早めの夕食を、定食屋さんで。

熱々の唐揚げ定食をはふはふいいながら食べつつ、
テレビで首相の辞任報道を眺めていました。
しかし、すごいタイミングで辞めるなあ。

ここ最近、NICOLA入力を練習中です。
いわゆる「親指シフト」ですね。

現在のローマ字入力のブラインドタッチ
(って、いま使っちゃいけないんだっけ?)は、
かつて、ワープロ専用機、シャープの書院を使って、
ほぼ1週間でマスターしたものです。

おなじくらいの時間で習得できるといいのですが、
ローマ字入力がすっかり身についてしまっているからなあ。
意外と時間がかかるかも。

そういえば「音痴」ってなおすことができないのだそうです。
いちどまちがえておぼえてしまった音程というのは、
修正することも忘れることもできない。
正しい音程をくりかえし身に染み込ませることで、
正しいほうの記憶を強固にしていくしかないのだとか。

うしてけせはときいん

新しい運指は、
さあ、どのくらいで、
ローマ字入力の記憶を乗り越えることができるのでしょうか。

2007年9月9日日曜日

台風一過



一時、氾濫危険水位を越えた多摩川。
水位はずいぶん下がったとはいえ、
流れは、いまだ茶色の濁流。
流れ着き溜まったゴミの位置で、
どこまで水が押し寄せていたかがわかります。



遊歩道で、ビニール袋やペットボトルを持って、
なにやら拾い集めている人、多数。
なにをしているのかと近づいてみると、
打ち上げられた小魚を拾っていました。

食用? 観賞用?

これもまた、台風一過の光景。

2007年9月7日金曜日

メロンパンナちゃん



メロンパンとイチゴメロンパンを食べようとしていた、
まさにそのとき、
ぴろりろりーん、
メロンパンナちゃん、と書かれているメールが届きました。

こんなちょっとした偶然に、
目の前のメロンパンとしばらく見つめ合ってしまった。

メロンパンナちゃんで、
アンパンマンを連想できるようになったのは、ごく最近。

  アンパンマン
   ↓
  やなせたかし
   ↓
  詩とメルヘン
   ↓
  休刊(残念)

という連想はできていたのですけどね。

アンパンマンの登場人物で知っているのは、

  ・アンパンマン
  ・ばいきんまん
  ・しょくぱんまん
  ・ジャムおじさん
  ・ドキンちゃん

くらいでした。
あ、あと、どらやきみたいな人物もいたような。

メロンパンナちゃん、あらためて見ると、
かわいいですねえ。



でも、メロンパンナちゃんと聞いて、
真っ先に思い浮かべてしまうのは、
じつは、雅山、なのでした。

雅山ブログ » 恥ずかしい(*^^*)
http://www.musashigawa.jp/blog/miyabiyama/?p=44

台風9号の音



真夜中、そおっとドアを開けて、
荒れる空にR-09のマイクを向けてみる。

台風をただの雨じゃないよう録りわけるのは、
意外にむずかしいことを知った、真夜中。

2007年9月6日木曜日

ばったーん!



強風にあおられ、玄関脇の洗濯機が吹っ飛んじゃいました。

片付けていたら、ううう、全身ぐっしょり。
シャワー浴びたばかりだったのに。

こんなのはじめて。
台風9号、おそるべし。

2007年9月5日水曜日

ローランド EDIROL R-09



マイクロカセットテープレコーダーが壊れてしまいました。

学生時代、ミニコミ誌を作っていたことがあり、
当時、その取材用にと買ったものです。
ソニー製の廉価なものでしたが、悪名高きタイマーは働くことなく。
先日までずっと活躍してくれました。

途中、アイワの安いICレコーダーに浮気したことがあります。
が、こちらは小さすぎていまいち操作に慣れなかった。
軽いのは利点でしたが、そのぶん存在感もどこか希薄で。

録音中、カセットテープのリールがくるくるまわっているのは、
見ていて安心感があるんですよ。
ぼくも古い人間なので。

とはいうものの、
これから新調するのにテープレコーダーはないだろう。

選んだのは、ローランドのEDIROL R-09。
SDカードに記録する、ステレオマイク一体型。
非圧縮のデジタル録音、24-bit Linear PCMという、
ぼくには高機能すぎる機種。

Appleのサイト内、
子供たちの感性を豊かにする「音」とMac
(http://www.apple.com/jp/education/profiles/keioyochisha/)
という記事で紹介されていた、
慶応義塾幼稚舎、サウンド・エクスプローラー部の活動
(http://sound.dmc.keio.ac.jp/)
そのウェブサイトで使われているR-09を見たときから、
ああ、これはすてきな道具だなあ、と。

本当は、
ソニーのPCM-D1というレコーダーが欲しかったんですけどね。
20万円弱という価格には、さすがに、お手上げ。
R-09も予算オーバーしているんです。
明日からはしばらく水を飲んですごさなくっちゃ。

高性能なわりには、
プラスティッキーな質感でソンをしているR-09。
電池を入れても、まだどことなく薄っぺらい感じ。
スピーカーを内蔵していたら、
ほどよいぽってり感を味わえそうなのに……残念。

それでもこれとGarageBandさえあれば、
ポッドキャストなんてことも簡単にできそうです。
しませんけれど。

さあ、これから使い込んでいきますよ。

2007年9月4日火曜日

ひとつひとつ、きうきうと

たとえば、
ごはんをたくさん炊いて、
冷凍保存するために、
パイレックスのガラス容器をずらりとならべ、
熱湯消毒したのち、
ひとつひとつに、きうきうと詰めていく。

おだやかな気持ちになれる、
なぜだかうれしい時間です。

2007年9月3日月曜日

柄にもなく



スポーツクラブなるものに、とうとう入会してしまった。
メガロスです。

初日の感想。
施設がきれいなのはもちろん、
なにより感心したのは、スタッフ。

採用基準がきびしいのか。
社員教育にすぐれたところがあるのか。
その両方だと思うけれど、
利用者にいかに気持ちよく使ってもらうかということを、
とことん追求、そして実行している。
これは、ちょっとすごい。
顧客満足度No.1とのことですが、伊達じゃないぜ。

水泳と水中ウォーキング(膝痛対策)たっぷりしてきました。
つかれた〜。
けど、気持ちいい〜。

2007年9月1日土曜日

まだ暗い時間

なんとかやっていけるのは、
モーニングページがあってこそ。

2007年8月27日月曜日

ワールド タンク ミュージアム図鑑



こういうイラスト図鑑は大好物。
ずーっと眺めていられます。
子供のころにプラモデルで作ったおぼえのある、
なつかしの戦車が、たくさん。

モリナガ・ヨウ『ワールド タンク ミュージアム図鑑』(大日本絵画)

戦車といえば、兵器というおそろしいものの代表格。
けれど、
こうしたものを空想するのも作り出すのも運用するのも人間ならば、
そこにあるのは、むしろ、あまりにも人間的な滑稽さ。

かっこいいけど、間が抜けてる。
自信満々なわりに、いっつもズレてる。

模型少年って、
けっこうそういうことを理解して、
目の前の模型を愛していたりするもんなんです。

2007年8月26日日曜日

あまくてすっぱい



ペリエに加えて飲んでいるのが、この有機レモン果汁。
ポッカのレモンもいいけれど、
こちらのほうが濃厚です。
ありえないくらいいっぱい注いで、ごくごくごく。

いま話題のシチリアレモン、とラベルにあります。
話題になっているのでしょうか。
知らないよ?

2007年8月25日土曜日

ひらひらひゅ〜ん



高校のときに弓道部だったこともあり、
このマンガのディティールには、
にまにましてしまいます。

西炯子『ひらひらひゅ〜ん』第1巻(新書館)。

サッカーも野球も世界陸上もいいですけどね。
弓道の試合、もっとテレビで中継してくれないかなあ。
昔、なんどか見たことがあるのですが、
最近は、ほとんどまったくないでしょう。
がんばってくれないかな、NHK。
そしたら受信料、払ってもいいのだけれど。

あの静的な緊張感には、なんともいえぬよさがあるのです。

2007年8月24日金曜日

見ることできます?



撮影した写真を新しくなったiPhotoで管理しはじめました。
ついでにスライドショー風に、
QuickTimeムービーで書き出してみたのが、これ。

斜めのライン、圧縮をかけすぎて劣化が目立っています。
これは今後の課題。
でも、数クリックで写真がムービーに仕上がるのは、
ほんと、ラクでたのしい。

1枚だけ選んであとは捨て写真、とはならず、
束ねることで撮った写真がみな活用できる。
これもちょっと気分がいい。

ちなみに新しいiMovieって、使いづらくない?
まだ慣れていないせいもあるけれど。
当面は、前ヴァージョンを使用することになりそう。

さて、Macな方なら、まず問題ないと思います。
Windowsのみなさんの環境では、
上の夕暮れ、きちんと自動再生されていますか。


<8/25付記>
ムービーを作り直してみました。
写真をあらかじめリサイズしておくことで、
画像の劣化をおさえることに、成功!

ケアレス、ミス

昨夜のこと。
「青年海外協力隊」を「海外青年協力隊」と、
まちがえて、書いてしまった。

気がついたときには、時すでに遅し。

こういう表記にはじゅうぶん注意をしなくては。
こころがけているつもりでも、
つい、うっかり、やってしまうよねえ。

2007年8月23日木曜日

風の谷のナウシカ



この夏、アニメーションが、
ロシアで劇場公開されて好評を博しているとの話。

もう23年も前の映画なんですね。
なつかしい。
原作を読み返してみたくなりました。

ところがどんなに探しても見つからない。
昨年末、大量に本を処分したなかに紛れ込んでしまったみたい。
とほほ。

というわけで、買い直してみました。
宮崎駿『風の谷のナウシカ』
アニメージュ・コミックス・ワイド版 全7巻(徳間書店)。
「トルメキア戦役バージョン」(?)のボックスセットです。

子供のころの夏休みを思い出しながら、
静かな夜に眺めるには、最高の物語。

映画の主題歌は、
綱渡りの歌唱力で、安田成美さんが歌っていましたね。
じつはすんごいファンでした。

こんなとてつもない本が、
しかし、セットで税込2,780円なんて。
ちょっとした奇跡だと思いません?

朝、静かに

ひさしぶりの、おだやかな雨の朝。
新しいオーブンレンジのやってくる日。

この週末は、ケーキを焼いてみようかと。

2007年8月22日水曜日

届きました

前月の2倍の電気代の請求書。

でも、夕方や朝の川風は、
ゆっくりと、しかし確実に、秋の気配。

たとえば

欠点を数え上げるのではなく、
いいところをひとつひとつ見つけ、拾って歩く。

丹念に、そんな生活を。

2007年8月21日火曜日

ことばの重さ

空虚なことばが蔓延している世界にあって、
どうしてこの人のことばだけにしっかりと重みがあるのだろう、
そんなふうに感じることがあります。

選ばれた人、というのはいるのですよね。

そして、選ばれてしまった人、というのも。

そのことばの、ぽってりとした重さは、
しっかりと小豆の詰められたお手玉のよう。

いや、手のひらにのせられたテディ・ベア?

ことばそのものへの信頼を回復するためにも、
そんな“出会い”は必要なのかもしれません。

2007年8月16日木曜日

あぢいね



井村屋のあずきバー。

歯が欠けて抜けるまで。
これを食べて寝て、やりすごそう。

ここ4,5日、これしか食べてません。
いや、マジで。

写真もピンボケするはずさあ。

2007年8月13日月曜日

星の降る夜

ペルセウス座流星群の極大日。
ということで、
1:00から3:30まで、
多摩川の河川敷で流れ星を数えました。

月のない好条件の夜なのに、
空は、星座がなんとか結べるくらいの暗さ。

でも、贅沢いっちゃいけませんよね。

ベンチに仰向けに寝ころんで、
刈られたばかりの芝のにおいと、
湿度の高い夜気のどんよりした感じを味わいながら。

ひとーつ、ふたーつ、みっつ……。

2時間半で34個の流れ星。
もうすこし飛んでくれたらなあ。
火球のひとつも見たかったなあ。
でもまあ、こんなものでしょう。

猛暑だ酷暑だといってますが、
知っていますか、
3時半ともなれば、
東の空にはもうオリオン座が全身を見せているんですよ。

2007年8月10日金曜日

テーマソングはいらない

バレーボールのワールドグランプリを観ようとテレビをつけた。

松田聖子と藤井隆が歌っていた。

ここ最近の大会で、
試合前、ジャニーズのタレントが歌っていたのもひどかった。
でも、今回のほうがより醜悪な気がする。
なぜだろう。

Appleのサイトに、
セッターの竹下佳江さんのインタビューがあります。
http://www.apple.com/jp/articles/interviews/athlete/takeshitayoshie/

コート上とはまたちがう雰囲気の竹下選手。
で、こういうくだりがある。

─バレーボールと音楽にまつわるエピソードは何かありますか?

バレーボールって結構タレントさん試合前に曲を歌ったりするじゃないですか。大会大会でテーマ曲があるので、すごく頭に残っちゃうんですよ。


いい意味で? 悪い意味で?
両方なんだろうな、きっと。

NHKのニュースに切り替えて、ほっとした。
暑い日が続く東京です。

2007年8月9日木曜日

perrier



お風呂上がりにビール?
最近のぼくは、これ。

以前はエビアン中毒でしたが、
いまはすっかりペリエに夢中。

微炭酸が気持ちいい。

和食にも洋食にも、ジャンクフードにも合います。
水だからね、あたりまえか。

2007年8月8日水曜日

ときめきの物欲とお布施のおさそい



きましたねー、Apple。
ときめきの新製品、発表です。

 ・新しいiMac
 ・新しいMac mini
 ・新しいキーボード
 ・新しいiLife '08
 ・新しいiWork '08
 ・拡張された.Mac

今回の新製品のテーマは、酸化皮膜処理されたアルミニウム。
新しいiMacもキーボードも、おしゃれ。
Mac miniはあいかわらずかわいい。
とくに新しいキーボードのキータッチには興味あります。
どんなんだろ、わくわく。

でも、いらない。

iMacもMac miniも、もともと眼中になし。
キーボードも、新調したばかりのMicrosoftがいいのでね。
エルゴノミクス出してくれるんなら、ぽちっとしてもいいけどさ。
すまんね、Jobs。

iLife '08とiWork '08は、
ビックカメラで購入できるようになったら、即、買います。
もちろんです。
ずっと待ってたんだから。

なんといってもうれしいのが.Macの機能拡張。
容量が10倍になって、
ウェブサイトにオリジナルのドメインが使えるように。
やったー。
これも、ずっとずっと、待っていたこと。

物欲がそれほどくすぐられなかったのは、
うれしいような、さみしいような。

ともあれ、
iPhoneを使えない飢餓感が、これですこし、解消。

2007年8月7日火曜日

Transformers: The Movie



公開されたばかりの「トランスフォーマー」を観てきました。

映画館にいくと、あふれる親子連れにびっくり。
さすが夏休み、さすがトランスフォーマー。
と思ったら、いま「ハリー・ポッター」を上映してるんですね。
みんなが手にしているのは、
すっかり青年になった魔法使い物語の割引券。

というわけで、
マイケル・ベイ監督、
スティーブン・スピルバーグ制作総指揮という、
鳴り物入りで公開された変形ロボット映画は、
あれま、拍子抜けするくらい空いていました。

いやあ、でも、たのしかったです。

アトラクション度は「ダイ・ハード4.0」よりも上。
音響のよい館だったせいもあって、
2時間25分、
どどどどど、ががががが、
からだを震わせ、おどろかせてくれました。

ほんと、
ディズニーランドとかの乗り物に搭乗しているみたいでしたよ。
その乗り物の名前が出てこないところがアレですが。

元となったおもちゃやアニメには、
なんの思い入れも思い出もありません。
育った田舎では、そんな変形ロボ、売っていなかったのでは。
見かけた記憶もほとんどない。
そもそもテレビで放送されていなかったんじゃないかと。

脳のスイッチを完全にオフして、
爆走する音響と、
大画面で展開される問答無用のトランスフォームに身を委ねる映画。
8月に入る前からもうすっかり夏バテ気味だったので、
こういう映画はスカッとします、スカッと。

ハリポタに負けるな、われらがトランスフォーマー。

でも、ポップコーンを夕食のかわりにしてはいけませんね。
胸焼けするだけです。
うぐぐ。

2007年8月6日月曜日

明け方、走るまえに月



ぼくから月までの距離と、
きみから月までの距離なんて、同じなのにね。

2007年7月29日日曜日

天が砕けたような



昼食後、
どれどれプールにでもいこうかな、
洗濯物を取り入れたとたん、
どかんどかんどかんどかんどかん、と音を立てて、雷雨。

すんごい集中豪雨だね、こりゃ。

コンピュータ、
コンセントから抜いておいたほうがいいのかなあ。

投票日の朝に



ローレンス・ブロックに、
「バッグ・レディの死」という短編小説があります。

私立探偵マット・スカダーのもとに弁護士がやってきます。
ある女性からあなたに遺産が託されている。
受け取ってもらえないか。

遺産をのこしたのは、メアリー・アリス・レッドフィールド。
ニューヨークで暮らしていたショッピングバッグ・レディでした。

けれど、スカダーは彼女と親しいわけではありませんでした。
ほとんどおぼえていなかった。
そういえば道端で彼女から新聞を買い、
釣り銭を受け取らなかったことがあったかもしれない。
そんなことを思い出せるくらいにしか。

ホームレスのような生活をしていたメアリー。
けれど彼女には、
じつは資産があり住むとこころがあり家族もありました。

なのに彼女は、
道端で新聞を売って小銭を稼ぐ、
買い物袋をかかえて歩く日々を選んでいました。

ある日、道端で刺されたうえに首を絞められ、
そのまま路地で死んだメアリー。

その彼女が、
見ず知らずのスカダーにおくった千二百ドルもの遺産。
また彼女は、スカダーのみならず、
三十二人の友人とも知人ともつかない人たちにも、
さまざまな額の遺産をおくる遺言をのこしていたことがわかります。

いくつもの小さな《なぜ?》。

名前も知らなかった女性がのこしてくれた、
理由のわからない千二百ドル。
彼女が自分にそれだけの価値があると勝手に思ってくれた?
じゃあ、それはそれでいいではないか。

スカダーはそう思おうとします。

   だが、そんなふうには考えられなかった。
   どういうわけか、金が私の心を噛んだ。

そう述懐して、
スカダーはひとりでメアリーの事件を調べはじめることになります。
そして……。

ローレンス・ブロックの小説のなかで、もっとも好きな小説です。
この「こころを噛む」「こころが噛まれる」という表現が、
以来、気になるようになりました。

この台詞自体が「こころを噛んだ」という感じでしょうか。
そしていまでも、ぼくは噛まれたまんまです。

       *       *       *

こころを噛んだ、というのとはちがうかもしれませんが、
最近、気になっていることばがあります。

自民党から立候補した丸川珠代さんという、
東京選挙区の候補者のポスターに掲げられている、
スローガン?コピー?です。

   日本人でよかった。

ご本人が考えたのでしょうか。
支援している「えらい人」が決めたのでしょうか。
それとも、広告代理店がひねりだしたのでしょうか。

意味不明、というより、その意味するところがさっぱりわからず、
その穴の抜けぐあいというか底のしれない深さに、
街でポスターを眺めるたび、
気味の悪い空虚をそこに見てしまいます。

この人の政治家としての資質についてはわかりません。

住民票云々で選挙権がしばらくなかった、
というのは、おっちょこちょい。
ずぼらだとは、まあ、いわないでおきましょう。
そのため最近は選挙にいってなかった。
投票所へいってはじめて自分に投票権がないことに気づくようでは、
有権者に笑われてもしかたがない。

とはいうものの、
与えられた選挙権をすべて行使することと、
その人の政治家としての資質・能力については、
じつは、正直、あまり関係ない気がします。

公約を読んでも、中身はない。
でもそれは、この人だけでなく多くの候補者に共通します。

最近の閣僚の失態や言動を考えると、
今後、厚顔無恥ささえ身につければ、
ごくふつうに政治家としてやっていけるような気もします。
残念ながら。

当選したらきちんと仕事をしてほしい。
落選したなら、その瞬間こそが、
政治家としての本当のスタートなのだと思います。

ところで、
住民票が東京になかったあいだに源泉徴収されていた住民税。
こういうのって、どこに収められていたんでしょう。
実際のところ……。

ともあれ、

   日本人でよかった。

このことばの、
意味というものに関しての無自覚な感じや、
あっけらかんとした暴力性に、
ぼくは唖然としてしまうのです。

       *       *       *

投票日をむかえた参議院選挙。

すでに期日前投票をすませてあるぼくは、
今夜の選挙速報を楽しむだけとなりました。

なにか大きな変化がおこるかもしれない。
おこらないかもしれない。
政界の再編成がおこるかもしれない。
おこらないかもしれない。

けれどそれでも、
日本では「こういう政治」がしばらく続いていきそうです。
首相が交代しても、政権が変わっても、
根底はなにも変化しない、日常。

AがA’になり、A’’になりA'''へと移っていくだけ。

でも見回してみると、
そうでない国も世界にはたくさんあります。
政権が変わることが、
即、国の根幹をゆるがしかねないような国。
国そのものが解体しかねない政治情勢にある国……。

はたからみているとそのドラスティックなさまは、
文字通りドラマティックかもしれません。
でも、その渦中にいる人たちは、
ストレスの多いたいへんきびしい状況を強いられます。

ドラマティックって、当事者は、ものすごくつらいもん。

そんなにつらいくらいなら、
平和ボケといわれている状態でもいいよ。
そういう選択肢だって、あり、かもしれません。

いっけん平和で安定している社会にだって、
位相の異なる困難な状況というのが待ちかまえているわけですけれども。

そうした風潮にやきもきしている人がいます。
もっとドラスティックに変わらなくては、
この国はダメになってしまうではないか。

でも、人為なんてものに、
それほどたいしたことができるとは、思えなくて。

ゆっくりと朽ちていく、おだやかに老いていく。

どこの政党も「もっとよくする」ばかりでそんなことはいいません。
けれど、
そういう成熟のありかたというのもあっていいと思うのですよね。

そこに美しさを見出してその美しさを愛でるというのも、
かつての日本人は得意だったと思うのですが、どうでしょう。

あ、しまった。
投票日ということで、思わず政治的な発言。

次回は「宝くじが当たってしまった」話でも。

2007年7月28日土曜日

スモッグもくもく



東京はこのところ、午後になると光化学スモッグ警報発令中。
目やのどが痛くなる被害はいまのところ、ありませんが。

猛暑になると出る警報。
風があれば、ならないらしいんですけれど。

子供のころは「光化学スモック」と思っていました。
ところがある日、
「スモックって、あの服の上にかぶるように着る上着のことじゃん!」
気づいたときは、はずかしかったなあ。

そういうことがいっぱいあります。
というか、そういうことばかりです。

2007年7月25日水曜日

プールにいきました



ぼくは、こんや、プールにいってきました。

プールにいったのはひさしぶりです。東京サマーランドにいったのがいちばんさいきんのプールです。いちばんさいきんといいましたが、10ねんいじょうまえのことです。

きょうのために、日よう日、すいえいパンツとゴーグルをかいにいきました。かっこいいんですよ。オリンピックのせんしゅみたいです。すいえいようのぼうしはかいませんでした。調布市のしえいプールはぼうしをかぶらなくていいからです。

ひさしぶりのプールはたのしかったです。ひさしぶりだからおよぎかたをわすれてしまっているかもしれないとしんぱいをおもっていました。でもだいじょうぶでした。

クロールでおよいだら、いきつぎをしないで25メートルおよぐことができました。いきつぎをしなかったのは、いきつぎのしかたをわすれていたからです。いきつぎをしようとするとからだがしずんでしまいます。水をのんでしまいそうになりました。だからいきつぎはこれからべんきょうしなければいけません。しくだいです。

ひらおよぎのしかたもわすれていました。きたじまこうすけせんしゅみたいにおよいでみたいとおもったのに、まえにすすまないししずんでいくだけでした。どうしてなのかわかりません。

50メートルおよいでやすむ、およいでやすむをくりかえしました。ゆっくりだったけれど、すこしずつむかしのかんをとりもどしていくかんじがしました。こうはんはとてもきれいなおよぎかたになっていたとおもいます。おなじプールでおよいでいた女子のみんなの目はハートのかたちになっていたのではないでしょうか。くぎづけです。もてもてです。

1キロとすこしおよぎました。ひさしぶりなのにがんばりすぎてしまいました。ひさしぶりだからがんばりすぎたのだとおもいます。

プールから帰るときは、コーラをのむかアイスクリームを食べながら帰ろうとおもいました。ガリガリ君のソーダあじを食べながらじてんしゃにのって帰りました。そういえば、こどものころはこんなふうに夏休みをすごしていたなあとおもいだしました。

帰りついたら、すごくつかれました。しょくよくもないくらいです。こんやはこの日記をかいたらすぐにねようとおもいます。サッカーをみたいけれど、あんなおそくまでおきていられないとおもいます。はやねはやおきです。ぐっすりねむれそうなきがします。

えにっきのえは、ぼくがおよいでいるところです。いっしょにおよいでいるのはシーズーのらんまるです。しえいプールはいぬはいっしょにおよげません。だからいっしょにおよいでいるきもちでおよいでいました。

おしまい。

2007年7月24日火曜日

空を見て考えた



執着するということの、あまりの苦痛。
そして、その支配されたがりなこころのありかた。

あきらめるというのではなくて。
忘れてしまうというのでもなくて。
放棄するというのとも、ちがう。

執着を捨てること。

ただ手放す、という別れを学ぶこと。

2007年7月22日日曜日

ふわりゆらり



だいじょうぶ、きみはできる子。
海にいだかれているのだから。

2007年7月21日土曜日

くもり空の下、眼鏡と本と



くもっている空が、銀色に輝きはじめる。
そんな時刻、あるでしょ。

       *       *       *

眼鏡を新調しました。

先日、映画を観にいったときにどきりとしたんです。あ、字幕が、見にくくなってる。

ぼくは乱視が強いので、ああ、ますますひどくなっちゃったのかと。

不注意で踏みつけては自己流で曲げてなおすことをくりかえしていたので、フレームもずいぶん歪んでいたと思います。

眼鏡に関しては、迷うことなく、市内の「メガネドラッグ」。

ここの接客はとても気持ちがいいのです。疲れてささくれだったこころを癒してさえくれる。そんな、なにかがあります。毎週、通いたくなるくらい。

応対がていねいである、というだけじゃないんです。

ことば使いはきちんとしているのに、不愉快にさせられる対応というのはいっぱいある。はからずも、ぼくも慇懃無礼な態度だけはなぜか得意です。

でも、この店舗のメガネドラッグだけなのでしょうか。親身になってくれているということが、文字通り、全身で感じられる。

視力検査からフレーム、レンズの選択まで、安心して相談、まかせることができる。

とくにフレームを選ぶというのは、なぜだかはずかしくて、ぼくはむかしからとても苦手。ですが、この店だとずいぶん気楽に気分よく選ぶことができる。

この雰囲気はなんなんだろう。この店の人たちは、どんな社員教育を受けているのか。以前から、すごく興味があります。

メガネドラッグ教という宗教があるんですよ、きっと。で、強烈なドラッグと激しい電波をあたえられることで、社員はみな洗脳され人格改造されることになる。完全接客人間へと変貌を遂げるわけです。

すみません、あぶないですか。ちっともいい想像ではありませんね。でもほんと、それほど「いい」んです。

なんて、洗脳されているのはぼくのほうですね、これじゃ。

検査の結果、乱視はひどくなっておらず近視が進んでしまったとのこと。とりあえず老眼化というわけではなさそうです。

これまでよりも細身。そのシャープなフレームに、ちょっと贅沢して両面非球面レンズ。

できあがりは10日後になります。

       *       *       *
       
眼鏡を作った以外は、本ばかり読んでいた一日。

歌野昌午『葉桜の季節に君を想うということ』(文春文庫)
なるほど、これは映像化絶対不可能ですね。むりやり映像化するなら、この小説のおもしろさの99%を捨てなくちゃならない。ははは。でも、どうしても残るのは、マンガを読んだあとみたいな読後感。いえいえ、もちろん、キライじゃないですよ。こういうミステリ。

呉智英『健全なる精神』(双葉社)
こんな博覧強記できちんと偏屈なおじさん(おじいさん、とはいうまい)には、もっともっと増えてほしい。ちょいワルなんて、あれはあれでみっともなくない? 男なら、すべからくこういう高齢者(失礼)を目指すべし。ぼくは残念ながらダメっぽい。マネできたとして、せいぜい偏屈になれるくらいか。もうすでにじゅうぶん偏屈だ、という説もありますけれど。

池田晶子『暮らしの哲学』(毎日新聞社)
『人間自身 考えることに終わりなく』(新潮社)同様、死の直前までの思索が収められた最後の著作。病魔が体力を奪っていくようすが、『人間自身〜』を読むと痛々しいほど伝わってきます。

ペンを握る力がゆっくりと、しかし確実に衰えていくようす。もともとこの著者には、週刊誌ペースで時事ネタなんぞあつかってほしくない。そんな思いがありました。

二次情報、三次情報で時事ネタを切る、それはいい。けれど、元となった情報がのちのち事実誤認だったと判明することが往々にしてあります。そうなると、せっかくの鋭い切り口も「そこ、切るところではないんじゃないかなあ」ということになりかねない。そんな橋は渡ってほしくなかったな。

雑誌連載に関しては、いつも、僭越ながら、どこかハラハラしながら見守っていた気がします。

こちら『暮らしの哲学』も、いまどきの話題をあつかっている。でも、全体としては、春夏秋冬、時候の移り変わりに思いをはせる、といった趣。語り口も、これはもしかしてテープ起こしなのだろうか?そう思ってしまうほど。最後に見せていただいた、やわらかさ。泣きたくなるような、静謐。

フレドリック・ヘーレン『スウェーデン式 アイデア・ブック』ダイヤモンド社
最近は、この手の本、好んで読んでいます。ジェームス・W・ヤング『アイデアのつくり方』(阪急コミュニケーションズ)とかジャック・フォスター『アイデアのヒント』(阪急コミュニケーションズ)とか。ビジネスで終わる話ではないんですよね。シンプルであること。こうした本を読むことによって、いま、ぼくはその指針を探しています。

林 公一『擬態うつ病』宝島社新書
現在、ほんとうに苦しんでいるうつの人は読まないほうがいいような。そんな、ちょっと不思議な良書。ぼくの場合、病気としてのうつとか擬態うつではなくて、気質的というか、生まれてこの方、からだの隅々、細胞のひとつひとつにいたるまで、もう生粋のうつ、なんだよなあ。いや、ほんと。でも、そうだと認めることで、あきらめもつくし、覚悟もできます。

ひさしぶりの一気読み、さすがに満足。

明日は、読書以外のことを。

2007年7月19日木曜日

最終的には、顔



肌寒いくらいの朝。
一日中、雲におおい隠された空に、飛ぶ鳥も、見ず。

こんな空を期待していたのだけれど。

       *       *       *

今夜、参議院議員選挙の期日前投票にいってきました。

投票のさいには、公約や主張、プロフィールをきちんと吟味しなければ。それはわかっているんです、わかっているんですが……。

各候補者に、どうも、それほど差違があるようには見えないんですよね。

選挙期間中ってのは、とくに、そんな気がします。よって立つ位置で、方策や表現はちがいます。けれど結局、みんな「国を政治を生活をよくします」と声高に叫んでいるわけで。

ましてや今回は「年金をめぐる選挙」といわれている。国が責任をもって支払います、100年は安心の制度です。そういってきたけれど、本来あたりまえであるべきことがあたりまえでなかった。それをあたりまえに実行するようにします、というのがみなの主張だから、ますますその差がわかりにくい。

ぼくの頭では、残念ながら、理解不能。かれらがなにを話しているのかすら、わからないときもある。えええっと、それって、たぶん、きっと、日本語なんですよね?

だれが当選してもいいです、政治家になった暁には、うまいことやってください。とりあえず、そんな気分。

       *       *       *

ぼくは、投票は、選挙ポスターの貼られているあの立て看板を眺めて決めることにしています。

「この顔はマズイだろ」
「ま、これなら及第点か」

そんな感じに、立候補者の「顔」で判断する。

「いいかげんだ」と怒られたことがあります。そうかなあ、そうかもしれない。でもやっぱり本心は、不真面目だとも不謹慎だとも失礼だとも思っていなくて。

人の品性って、その人の顔に出てしまうんですよね。どんなに隠そうとしても、ごまかそうとしても、おそろしいことに、表れてしまう。

なので、自分の顔を鏡に映すとき、ぼくは心底うんざりするのだけれど、「表情」ということばの重みが、そういうとき、あらためて得心できる気がします。

なんでそんなにみなさん政治家になんぞなりたがるのか。そのへんの感覚というの、ちっともわからない。でも、ならば。せめてそのなかで品性がいちばんマシそうな人に投票したいと思っているわけです。

ポスターの顔で、それが判断できるのか。

写真の修正なんていくらでもできてしまう。そんな事実は、コンピュータの普及によっていまや常識となりました。ところが、修正すればするほど、元の写真から離れていけばいくほど、そのことによってかえってその「人となり」が浮かび上がってしまったりする。

美容整形した人は、1ヶ所変えると、そのうちまたべつの箇所も手術したくなるらしい。「部分」に手を加えることによって全体のバランスが崩れているのに気づいてしまうから、なのだそう。

究極には、全改造? でも、それでも、期待していたとおりになるとは、かぎらない。

たかが写真、されど……。好感度を上げようと、やたらめったらいじってしまうわけにはいかない。

また、あれこれ規制があるためか、なにかのげんをかついでいるためか、選挙用のポスターというのは、いつみてもどれをみても古色蒼然としていますね。デザインとかセンスといったものが、まったく感じられない。ああ、でも「だからこそ街の風景のなかで目立つのだ」という理由があるのかな、もしかして。それならそれは、立派な戦略です。

ともあれ、選挙用ポスターというのは、あんがい素直。各候補者の顔、きちんと比較できるのではないかと思っています。

       *       *       *

今回もしっかり、立て看板の前で吟味しましたよ。

東京選挙区は定員5人に対し、候補者が20人もいる大激戦区だと聞いていました。でも、掲示板は、思いのほか、すかすか。ポスターを貼っていない候補者がずいぶんいる。

ポスターに頼らないという考え方で活動しているのかもしれません。支援者が少なくて、都内すべての掲示板にポスターを貼ることができないのかも。

こういう候補者は、もうしわけないけれど、考慮に入れません。

ポスターを使わないなら使わないで、それでけっこう。自己アピールの貴重な機会をみずから捨てることを選択したなら、その結果も、引き受ける覚悟があるはずです。ポスターを貼ってまわる支援者を集められない人というのは……。そもそも人望がないというか、そのていどの動員能力すらないという時点で、そのう、政治家としての基本的資質に欠けてません?

       *       *       *

投票、それから食事をして帰宅したら、あれま、選挙公報が届いていました。残念。もう1日早ければ、きちんと目を通してから投票したのに。

でもね、それでも最終的には、やはりポスターの「顔」で決めます。

いそがしい、めんどくさい、興味ない、なんていわないで。並んでいるポスターを、つらつら眺めてみるといい。

そこに立ち上がってくる、政治家をめざす人たちが、あらわにしてしまっている、なにか。

2007年7月17日火曜日

新天地にて



考えてみれば、ずいぶんウェブログサービスを転々としてきた。

いちばんはじめに使いはじめたのは、iBlog。ウェブログはすでに黎明期を終えていた。ブログ、と呼ばれ爆発的に拡大しはじめていたころのこと。当時、このシェアウェアは.Macユーザーには無料で使えたけれど、ずいぶん不完全なアプリケーションだった。でも、それゆえカスタマイズの面白さにはまった。なにより、文章と画像を組み合わせてエントリを書く楽しさに気づかせてくれたのは、このiBlogだ。

とはいうものの、いちどカスタマイズに失敗すると、そのあと、なし崩し的に挙動がおかしくなる。その繊細さに辟易し、次第にべつのアプリケーションを探すようになった。

ウェブログそのものへの興味というより、.Macの有効利用を探す過程。これがウェブログとつきあうようになったきっかけ。

iBlogから乗り換えたのは、BlogWave Stadio。これも.Macを利用するアプリケーションだった。こちらはあまり使わなかった。iBlogより安定しているという評価もあった。けれど、一長一短、それほど差はないように感じた。

.Macを利用するアプリケーション形式のウェブログに見切りをつけて、使いはじめたのは、livedoor Blogのサービス。アプリケーションの管理をしなくていい。カスタマイズの自由度も高い。それだけでじゅうぶん開放的な気分になれた。

この時期、他社のサービスを試してみるため、大手のアカウントはほとんど取ったのではないだろうか。

結局、それでもlivedoor Blogを使い続けた。いいウェブログサービスだった、いまでもそう思っている。

使っているウェブログをほかのシステムに乗り換えてみたくなるのは、なぜだろう。レイアウトを変えてみたり、サイドバーのブログパーツをつけ加えたり外したりするだけでは解消できない、なにか。たんなる気分転換、というだけですませられない移り気。生活の変化と、それは密接につながっている。

TypePadに移行してみた。ほんの2ヶ月前のことだ。livedoorで書いてきたエントリをまるごとインポートした。システムは安定している。投稿のスタイルも気にいっていた。けれど、長くは続かなかった。

有料サービスだけあって、うっとうしい広告が表示されないのは気分がよかった。けれど、テンプレートに手を加えようとすると、いちばん高い「Pro」というプランを使わなくてはならない。月額1,260円。年5,000円足らずでドメインを取得しレンタルサーバを借りられるご時世、この価格はずいぶん強気だ。「URLがいいから」それだけで使っている人を知っている。mac.comのメールアドレスを使用したいがために、.Macの料金を毎年「お布施」し続けているみたいな話。

これを機会に、いっそレンタルサーバを借りてMovableTypeかWordPressを導入するという手もある。以前から、結局それが最終到達点ではないかと漠然と考えていた。でも、ウェブログサービスの爛熟しているいま、そんなことに労力を費やす意味はあまりないような気もする。

流浪流転した結果たどりついたのが、このblogger。

サービス開始当初は魅力的には思えなかった。知らないうちに着実に進化していたんだなあ。ちょっと感慨深い。

大手ブログサービスのハデさはない。Googleのサービスという先入観がそう見せるのか、どこか無機質で冷徹な印象がある。国内で生まれたものでないせいか、バタくさい。完全にローカライズなんぞされっこない、そんな雰囲気すら感じる。でもそうしたことは、みな、利点でも欠点でもない。

現在、他のウェブログサービスからのインポート、そしてエクスポートの機能がない。クラシックレイアウトだけでなく、新しいレイアウトでもFTP投稿をサポートしてほしい。小さなことだと「最近のコメント」くらいは標準で使えればいいと思う。でも、こうした機能はそのうち実装されるはず。

いま、とてもわくわくしている。書くことにシンプルに専念できるような気がしている。

新しいことをはじめるまえに、ほんのすこしだけこれまでをふりかえってみた。

「いろんなことがあって、いまがある」

これが、ちかごろ、気に入っていることば。