2007年11月5日月曜日

炎につつまれる金魚

ねこのパン屋さんが、金魚鉢を見つめている。

金魚鉢のなかには、二匹の金魚。

ねこのパン屋さんは、ほおづえをついて、
ゆらめき踊る金魚を目で追っている。

アーモンドの形をした目を、
ふだんの倍くらい、大きく見開いて。

すると、
ねこのパン屋さんの視線に反応したかのように、
二匹の金魚は、ぽっ、と燃え上がる。

水のなかでゆらめく小さな炎、ふたつ。

熱くないのか、驚いたようすも見せず、
金魚たちはぱくりぱくりと口を動かしつづけている。

二匹をつつむ青い炎は、
紫に、オレンジに、
ふるえながら色をかえていく。

ガラス細工のような燃焼。

ねこのパン屋さんは、そのようすを、
ほおづえをついたまま、じっと見つめつづけている。

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